マキノの庭のミツバチ日記(44)

庭先の巣箱を囲んでミニ見学会

前線通過で天気は一変。あいにくの曇り空の下、我が庭では、滋賀県内のある科学者グループ(当日は 10 名たらずの退職者ばかりの参加だったが)の要望で、ニ ホンミツバチ飼育の見学会をもった。といっても、巣箱は 1 台しかないので面はゆいのだが。

何はともあれ巣箱に直行。昼過ぎに起こる「時騒ぎ」(若バチの飛行トレーニング) を、タイミング良く見てもらえた。箱の「のぞき窓」からは、内側にミツバチの群がびっしり並んでいる様子もはっきり見ることが出来た。

あとは、他の空の巣箱(待ち箱)を開けて、もともとは巣箱に出来ていた 8 枚の巣板(これが巣の本体)の内の 1 枚を使いながらハニカム構造など説明。「巣板が 蜜ロウからできているというがそのロウはどこから?」という普段聞かれなかった質問が出た。「蜜バチは蜂蜜を食べて体内の代謝でロウを作りだし体表に分泌します。それを口でこねて次々と貼り付けて巣を作る」と一応の説明。空っぽの木箱の中に一から巣板を作るということが興味を惹いた風。

ミツバチの家族 1 万頭ほどが一体化した生活、変わった習性の数々を一気に話した。中でも、暗い巣箱内でのダンス・コミュニケーションでは、視覚より聴覚が重要という説明が皆さんには意外だった模様。現在のミツバチ脳研究の動向にも熱心な質問があった。ちょうど季節もよく、巣別れの話を多くしたが、ミツバチダンスによる新居選定では、情報を確かめに行って支持を決めるという点に「まぁ 民主的!」との声が上がった。女王バチが交尾後に精子を何年も保存して使えることにも、「冷凍保存じゃないのにどうなっているのだろう?」と関心が寄せ られた。

ミツバチの生存を脅かす環境悪化がここマキノの地にも及んでいる問題も紹介。 かつてはあちこちに巣箱が置かれニホンミツバチが飛び交う姿がよく見られたが、 今ではさっぱりという残念な状態。その衰退はなぜと問われ、ラジコンヘリによる農薬散布が一番疑わしいと答えておいた。稲田では、夏にホソカメムシが米粒を吸い、黒点の付いた斑点米ができる。ネオニコ系農薬の一種スタークルがその防除に使われるようになってから、ハチが少なくなったと地元の人もいう。私方の前の田には撒かれなくなったが、毎夏、町内の広い範囲の田にスタークル散布が続いている。手元にあった斑点米実物を取り出して見てもらった。「問題なのは、1000 粒中 2 粒の斑点米があると米の等級が下がってしまい、60 キログラム当たり 600 円ほどの価格低下があること」と話し、農薬依存から脱しきれない現状も知らせた。

ネオニコに絡む最近の動き、例えば日弁連が出した意見書や、最近公表された欧州食品安全機関の科学的検証の内容などについても質問の渦に。なぜこれまでたいした問題にならずマスコミで低調なのかということも話題になった。これは大問題だと改めて言う人もいた。さらに論議は県内の有機農業の行方や農業政策にまで及んでいった。

この他、実際の体験として、試食というほどでないが食パン片に蜂蜜をぬって味わってもらった。独特の香りがあり甘くて濃い、おいしいとの感想だった。

後日、参加者からの感想として寄せられたものの中には、「ミツバチの暮らし方に感動し、人間生活に生かせるものがあるように思いました。また、農薬の怖さにも改めて考えさせられるものが」というのがあった。(タイサク)

マキノの庭のミツバチ日記(43)

ミツバチ(そして人も?)踊る春

長いこと頑固に閉じていた庭のサクランボのつぼみが一斉に開き始めた。そしてついに私が待ち望んでいたその日が来た。その望みというのは、サクランボの木の花々にウチのニホンミツバチたちが群がって採蜜してくれる様を目にすること。そしてその羽音の弦楽重奏曲を聞きたいということだった。この日、20頭ほどのニホンミツバチがてんでんばらばらに樹冠に入り、花を次々に移っては頭を突っ込み忙しくしている(写真)。少し興奮気味で楽しそうにさえ見える。しばらくすると、すぐ近くの巣箱に直行するものもいる。おそらく満タンの腹を抱えていたのだろう。私は脚立を持ち出して木の傍に寄り、カメラで採蜜の様子を撮りまくり、新たに買った音質の良いボイスレコーダーで羽音を録音してまわった(音声解析にかけるつもり)。

この良き日、もう一つ期待していたのは、ミツバチの未来(それは人の未来にもつながる)に関わることであった。EU(欧州連合)でネオニコ系農薬3種類の恒 常的禁止の可能性がいわれてきた。EU 執行機関である EU 委員会が、その投票 を今日(22日)に行うのではとの外国からの報道があったので気になっていたのだ。EU ではネオニコ3種類について、2013年12月以来既に3年以上の使用規制措置がとられている。その暫定措置では途中脱落していた英国までが、今度は禁止賛成の側に回るという。

つい先月の28日、EUの食品政策に大きな影響力をもつ欧州食品安全機関(EFSA) が、ネオニコ3種類について、受粉を媒介するさまざまのハチ類に高いリスクが あるとする総合評価の結果を公表した。EFSA は、千5百ほどの論文を精査し、 環境汚染の推定値はミツバチにとって高リスクであると結論づけたのだった。このこと自体はネオニコ問題での大きな進展と思えるが、例によって日本国内ではまともな報道が少ない。

ところが禁止への期待を裏切るニュースが入ってきた。決定権を持つEU 委員会 (加盟各国の代表からなる)では、この22日、23日にネオニコ禁止を投票に付す予定がないという。これまでも昨年12月に投票されるのではとの観測があったが実現していなかった。農薬の巨大企業によるロビー活動が激化しているとも聞く。EU委員会の委員の間にも自国の事情があるだろうが、先延ばしにすべきことではないのでは?

投票といえば、ミツバチは新居候補地のうちから最良のものを8の字ダンスのコンテストで選ぶことができ、それは動物の投票行動の一つに数えられている。活発に採蜜をする働きバチを見るうちに、彼女らに「ネオニコ禁止の賛否」を問うことができたらきっと問題なく「賛成」が満票になるだろう、などと空想をしてしまった。それにしても人間の社会はあまりにも複雑化しすぎている。(タイサク)

マキノの庭のミツバチ日記(42)

啓蟄(けいちつ)の日を越えて

このところ気温上昇が著しい。防寒用に巣箱を覆っていた発泡スチロール製の白いカバーをついに取り外した。次に、巣門を含む台座部分の交換に移る。この時は面布(頭にかぶる網)と手袋を用意し、妻の助けを得て巣箱の台座を切り離し、新しいものに交換した。静かにしかも手早く作業できたので、ミツバチが騒ぐことはなかった。台座の上面(底板)には巣屑が積もるほどに溜っていた。放っておくとスムシに入り込まれて巣の崩壊の危険が生じるところだった。巣箱は前扉を開けて掃除できる仕組みになっていたが、寒い間はミツバチの気が立っているみたいなので、なかなか手を出せなかった。

3 月に入り啓蟄の日も過ぎて、虫も人も動きがにぎやかになってきた。もちろん我が庭のニホンミツバチたちは、既にトップ・ギアで動いて花蜜や花粉の採集に余念がない。一方、ハチ飼いやハチ仲間と言われる人間たちの動きも活発に。月末か4月中には分蜂(巣別れ)が予想されるので準備がいる。私のところでは、 例年、4 月末頃に巣箱から大群が女王とともに飛び出し、近くの木の枝に半球状の塊、つまり蜂球、を作る。これは新しい住処に移る前の仮の宿りだ。

蜂球(分蜂の群れ)を回収するのは簡単ではない。春の分蜂に向けてのもろもろの道具や仕掛け(写真)は、琵琶湖対岸に住む井上さんが、冬ごもりの手仕事で作っておいたもの。はるばる運んでくださった。分蜂の群を蜂球にして止まらせる集合板は、ワラ縄を板に巻き付け面状にして枠で囲んだもの。その表面には蜜ロウで固めている。このタイプは回収成功率が高いという。分蜂で巣を飛び出した群れは、表面がざらざらした木の枝に好んで集まるといわれ、集合板もその好みに合わせている。

これを 2 メートルほどのポールの先に、縄面を下にして付けておく。うまく蜂球がそこに着いた場合は、集合板をそのまま取り外して、ロート状のつなぎ箱(ジ ャンクション)にはめ込むことになる。つなぎ箱の下には新しい巣箱がセットさ れていて、捕獲された群れは追い込まれてそこに収まる。つなぎ箱はその後取り去る。このような工夫を井上さんは次々考えだしている。

樹木のかなり高いところに蜂球を作られると、捕獲が難しくなるが、井上さんはその対策も考えている。高いところに出た枝にロープを掛けて集合板をそろそろと釣り上げて固定しておく。まんまとそこに集まってくれたら、ロープを緩めて地上に降ろし、つなぎ箱を経て巣箱に移すという方式。これも試しにということで、庭の松の木に設置することにした。後は分蜂の日を待つばかり。(タイサク)

マキノの庭のミツバチ日記(41)

春が近寄る日々

2 月の 26 日。朝から晴天。ただし風はまだ冷たく感じられる。数日前まではあたり一面に居座っていた白い陣地は急速に縮小し、次々と黒い地面にとって変わられていく。生き物を育む土の臭いが久しぶりに漂ってきた。気の早いイヌフグリが数個の小さな花を開いている。庭の巣箱では 10°C近くなった昼前からにぎやかな出入りがある。巣箱の入口付近はまるでお祭り騒ぎのようだ。働きバチが次々と飛び出していく一方で、勢いよく戻ってくるのがいる。若手のハチたちはあたりをやたらと飛びまわっている。少し前までは、氷点下の寒気の元で熱を生み出すために必死に使った飛行筋だが、今や翅に連結され自由に空を飛びまわれる。 それを喜びはしゃぐように見えるのは、私の気のせいだろうか。花粉の持ち込みがいつもより多く、帰還のハチの半分以上が黄色や白の花粉の塊を後肢バスケッ トに抱えている(写真1)。タンパク源である花粉を十分に確保できて、女王バチも本格的な産卵態勢に入ったのだろう。

ブッブッという羽音を、ミツバチが巣箱から飛び出すときや巣門到着を前にして発することがある。遠くでバイクのエンジンをふかしているとき聞こえる断続的な音に似ている。これまでに飼ったコロニーでは、静かに出入りするものたちが 多かったと思うが、今回の働きバチたちは掛け声みたいに音をたびたび出すように思えた。興味を感じて、とりあえず音声レコーダーに録音した(後ほど音声解 析ソフトにかけるのを楽しみにしつつ)。

昼からは知内川に沿って約 1 時間の散策に出た。ついでに、ミツバチを喜ばせるような花がどこかにあるのか確かめたい気持ちもあった。なかなか花らしい花を見つけられなかったが、我が家から約2キロ離れた下開田の道路脇に赤い花が盛 んに咲いているのに出会った。山茶花の垣根だ(写真2)。ただし採蜜中のミツバチは見つけられず。川沿いに戻って神社の近くの梅林を見たが、まだどれも硬いつぼみのままだ。百瀬川岸に来た時、民家の庭に蝋梅が咲き始めていた。そこに一匹のアオバエが来て熱心に採蜜していった。ハエにとっても花蜜は大好物。だがウチのミツバチ連中はどこに通っているのか、結局は分からずじまい。

28 日。昨日に続き今日も晴天。気温は昼頃に 10°Cを超えた。働きバチは相変わらず熱心に飛んでいる。帰りは主に西と北の二方向から戻ってくる。北の方角に思い当たる所があった。コンビニの裏の通りにも山茶花が咲く垣根があると妻 Y が言っていた。そこかもしれないと、自転車で探しに出かけた。住宅街の垣根や庭先をキョロキョロと見ながら、自転車でノロノロと回ったり、時には停車して一点を見入ったりした。不審者か徘徊老人に間違われかねない有様だったが、幸い何事もなし。ただし残念にも、山茶花などの蜜源に採蜜しているところを今日も見出せなかった。大量の花蜜や花粉を一体どこから運び込んでいるのだろうか。 (タイサク)

マキノの庭のミツバチ日記(40)

連日氷点下の低温に耐えて

最低気温が−(マイナス)9°Cあたりまで下がった。ご近所では、水道管が凍結し風呂が使えなかったとか管の破裂で慌てたとの声も聞く。我が家では、夜の内も水道栓からチョロチョロと出しておいたので、また庭の水道栓には厚いカバーで 覆っておいたので、持ちこたえてくれた。これ程低い気温はめったにないので庭の巣箱のミツバチは大丈夫かと気がかりだった。米国シーリー博士の本では、セイヨウミツバチは外気温-30°Cであっても巣の中を適温に保っているという。そのためには備蓄の蜂蜜を1週間で1kg ほど消費し熱に変えているとのこと。

今日は珍しく丸一日晴天の日。昼には 8°Cくらいまで気温が上昇した。そこで、午後 1 時には待っていたかのように巣門付近が騒がしくなり、巣箱周辺を働きバチ20 頭ほどが飛びまわっていた。辺り一面はまだ雪の積もった白い世界だが、それでも近くの木々の間を飛びまわって探索している猛女がいる。

庭にあるビワの木は寒さに弱い。重い雪をかぶり、時に激しい風雪にさらされてすり切れたような葉の間に、点々と花のつぼみが見られ、わずかに花弁が開いた ものもある。その樹冠に飛び回る影が時々見えた。ブーンという羽音はすれども姿をなかなか確認できない。ミツバチの羽音なら独特の高い音(周波数)のはず。 そこで、録音してエクセルの解析ツール(FFT)にかけて調べることを思いついた。だがその内、ビワの葉と葉の間の小さな青空のパッチ(隙間)に、花に頭を突っ込んでいる姿がわずかに見てとれた(写真、中央の白い矢印の先)。腹部の縞模様はまさにニホンミツバチのもの。横向きになった時にやっと全身が見えたが、 シャープな写真を撮るのには失敗。でも、まだ寒いなか早速に花蜜探索にかかる 仕事熱心さには感心した。多くの花が咲くまでにまだ日にちがかかりそうだが、下見に来たのだろうか。

冬の厳しい時期、籠城中のミツバチ・アマゾネスたちには気が立っているものもいるので油断は禁物。先週のこと、ミツバチの巣箱をかまっていて、出てきた働 きバチに左の掌を刺されてしまった。とりあえずゴムバンドで左腕を縛った。皮 膚に残った毒針を指先でつまみ取るのはよくない。極細のピンセットを用いて毒針を根本から丁寧に取り去った。私は 2 年ほど前にも刺されているのでアナフィラキシーショックがないとは限らない。かねて用意の注射器で傷口を吸引して水洗いし、クスリを塗った。幸いにも腫れも目立つほどにならず、大事に至らなか った。(タイサク)

マキノの庭のミツバチ日記(39)

ダンス言葉を読み解くミツバチの脳

冬ごもりが続く間に、日ごろ手にしなかった本などを読むことにしている。ある論文には驚嘆した。ミツバチが尻振り(8の字)ダンスで仲間に花蜜のある場所の位置情報を伝えることは、フリッシュ博士の発見によって既に広く知られる。 だがそのダンス言葉がミツバチ自身でどのように解読されるかは謎であった。

その論文とは、昨年秋に福岡大学の研究グループが、セイヨウミツバチの脳内に尻振りダンスで生じる特徴的な音から距離を検出する神経集団(回路)を発見したというもの(J. Neurosci. 誌に掲載)。たかが虫の脳と言うなかれ。最近は虫の脳も人の脳の基礎研究にヒントを与える可能性が言われてきている。

尻振りダンスのような行動は目で見て分かるし興味を惹くが、実際にダンスが周りの蜂の体の中でどのように受け取られ意味を持つかは外から見えない。そのブラックボックスみたいなものの内側で主役を演じるのが神経細胞。ミツバチの神経細胞がどのように情報を運んでいるのかを知ろうと思えば、極細の電極を個別の細胞に差し込んで電気記録を取らねばならない。ミツバチの脳がいくら小さいといっても、細胞の数は無数と言ってよいほどで、それらを生きたままの状態で 調べるには根気のいる繊細な作業をやらねばならない。大概の者は途中で断念する。今回、困難な仕事をやり遂げた研究者たちはすごい!と思う。

さて、ダンス解読の話に戻ろう。巣の中は昼でも暗闇なので眼が使えず、音や振動が情報伝達の主な手段になる。ダンサー(偵察バチ)の尻振りダンス(イラス ト参照)は蜜源などの場所までの距離と方角を表す。ダンスでは直進部(波線部) を通るときに翅と腹を震わせる。その時出す一連の断続音は周りの働きバチの触 角に捕らえられ、神経繊維を走る信号(電気パルス波)の形に符号化され、脳の 聴覚担当部に送り届けられる。この度の研究で、ダンスの断続音の長さから距離 を解読(解聴?)している聴覚回路が実際にミツバチ脳の中に初めて見出された。

情報の流れはそこではどうなっているのだろうか。実は、神経細胞同士の微妙な調節がなされている。ある神経細胞は、ふだんはお隣さんの細胞に抑制をかけ暴走(?)を抑えているが、音の信号が到来している間に限って抑制を止める。その間、相手の細胞は自由になって電気パルス波を発信する。この一連のパルス波信号の長さにより、多分目標までの距離が認識される。これらの細胞は、ダンサーが出す特徴ある短い音パルスに対し最も強く敏感に反応するが、それ以外の音や雑音はほとんど無視する。つまりラジオの選局(同調)機能のようにふるまっているのだ。

距離の他に、蜜源のある方角の情報は、上下方向と直進部(図の波線部)の間のズレの角度で表される。上記の細胞の仲間のひとつが、ズレの角度の解読に関与する可能性もあるそうだ。距離と方角が分かれば、特定の一地点が指示される。 ダンス言葉を成り立たせる仕組みが、あの小さなミツバチ脳にあることが解き明 かされつつある。我が家のニホンミツバチたちにもこの回路はあるのだろうか。

我々人も生きていく上で多くを頭脳に頼っている。ミツバチの脳の今回のような研究が、「認知」とか「思考」ということの意味をあぶり出すかもしれない。そんなことを思うと楽しくなる。(タイサク)

マキノの庭のミツバチ日記(38)

今度こそ最強寒波の襲来

いやに静かな朝。雨戸を開けると、一晩の内に 40 センチもの新たな積雪になっていた。積もった柔らかな雪が世間のよごれた音を吸い取ってくれているのか。 「今季最強の寒波」と、去年の 12 月ころからたびたび言われてきた。だがその割に、ここマキノの地ではこれまで大した積雪はなかった。それでも今朝のように 急激な積雪と低温化は、まさに当地でも今季最強の寒波襲来と言えよう。東京で 氷点下が数日続いたのは 32 年ぶりのこととテレビが伝える。マキノの土地の人の話では、以前、3 メートルの積雪になって 2 階から出入りしたことがあるとか。 たぶん数十年前のころの話なのだろう。

今日はいよいよ高島市にも大雪警報が出ている。JR湖西線も大雪で運転打ち切りや運行の乱れが伝えられている。今日の最高気温は氷点下 1 度止まりとか、あ まり経験したことのない低い値だ。とにかく、とりあえず朝から雪かきが必要。 門扉までの数メートルも 50 センチほどの雪で覆われていて歩けない。それで 30 分の雪かき重労働に専念し、生活道路を確保した。この雪かきの間も急に激しい 吹雪になり、閉ざされたように感じられ周りが見えづらくなる時があった。これ はホワイトアウトというのだろうか。

さて大きな関心は、裏庭に置いているニホンミツバチの巣箱の状態。昨日、小さ なスノコを巣箱入口の近くに立てかけておいたが、どうなったかと心配だった。 積雪が邪魔でおいそれとは近寄れない。レスキュー隊老隊員の若干 1 名、雪かき をしながら、1歩1歩と巣箱に向かう(写真1)。巣箱の台座部分は雪に埋まっているが、一応無事な様子を見て一安心。巣箱正面に置いた小さなスノコはしっか り隙間を確保し、空気取り入れ口(巣門)を守っていた(写真2)。

1 頭のミツバチが中から飛び出してきて辺りをうろついたが、寒さに耐えられず 雪の上に落ちケイレンしている。そのハチを取り上げて巣門に置いた。ハチの糞 (ふん)で巣箱の白壁には黄色い点々が増えている。白色のものの上に糞をするとよく言われる。近くの雪の表面にも黄色いスポットが見られるが、これはこらえきれずにやってしまった跡なのか。

雪かきの後は腕や腰が痛む。今日のような降雪だと日に 3 回は雪かきが必要。まだしばらくは雪が降り積もるというので、油断できない。しかし楽しみなこともある。雪景色は一夜のうちに違った世界を見せてくれる。葉の落ちた庭木の枝に 雪の花がにぎやかに咲くのを見るのも、たまには良い。鳥たちの姿を近くに見る のもまた楽しい。ムラスズメが数羽で訪れるのも度々だ。家のベランダにまいてやったパンくずをさかんにあさり、素早く呑み込んでいく。あたり一面の雪でエ サが見つけられず、よほど腹が減っていたのだろうか。その丸い頭、美しい模様 の羽、ふっくらとした丸っこいからだにあふれる可愛さに見とれてしまい、しば らくはぼんやりしていた。(タイサク)