マキノの庭のミツバチ日記(14)

ミツバチ体内に見つかったアカリンダニ

ニホンミツバチの大敵アカリンダニ

滋賀県の各地で、寄生ダニによるとみられるニホンミツバチのコロニーの絶滅が去年から盛んに起きている。私の庭のミツバチの群れは元気そのもので異常は認められないが、念のため自分の手で調べてみることにした。

ネットにあった検査方法に従って計10頭を解剖し手持ちの顕微鏡で調べてみた。健康な蜂の気管は、空気がスムーズに通れるように内側に何もなく、らせん形のスプリングのような管状で、内部は透き通ったようにきれいに見える。検体9頭については、気管がきれいであり異様なものを発見できなかったが、残り1頭は気管の内側が黒ずんで汚く見え、ダニみたいなもの3匹が見つかった。やはり隠れていたのかと愕然とした。感染したハチがある程度巣箱に潜んでいる可能性があるので、警戒を強めることにした。

その後、同じ市内でニホンミツバチを飼っている方が、調べてほしいと10頭ほどミツバチを届けてきた。そこも少し前に分蜂が起こり新コロニーを得たと聞いていた。その巣箱の周りに点々と蜂の死骸が多数散乱し、生きているのはあたりを徘徊しているとのこと。翅(はね)がKの字の形をしているかどうかは聞きそびれたが、まさにアカリンダニの症状といわれるものに一致する。そのうちの5頭の体をそれぞれ切開して顕微鏡で調べてみた。探すまでもなく5頭すべての胸部の気管にアカリンダニがいた。ある蜜蜂の太い気管の内には、成虫や幼虫に加えて卵がぎっしり詰まったところもあった。

幾分かグロテスクだがメタボでちょっとユーモラスな感じのダニ成虫のお姿を、ワンショットでモノにした(写真はオス。スケールの最少の目盛は10ミクロンに相当)。なかなかのエイリアンぶりだ。その体長が1ミリの十分の一(100ミクロン)くらいだからいかにも小さい。これがミツバチの気管の中にもぐりこみ、体液を吸い取り、交尾までして、卵もそこに溜めるという。ミツバチにとっては超迷惑な「ミクロの侵略者」ということになる。ヒトでいえば肺炎を起こし呼吸困難になるようなもの。そうなると飛行運動も、また体温を上げる筋肉の激しい活動もできなくなる。冬にコロニーの絶滅が多いのは、呼吸が制限されて保温が出来ず、そのあげく凍死に到ると考えられている。

アカリンダニは外国から入ってきたとされているが、具体的には分かっていないらしい。最近の滋賀県でのミツバチ死滅の下手人はこのアカリンダニかもしれない。だが、農薬ネオニコチノイドに曝露したミツバチでは免疫機能が低下し、ダニやウイルスへの抵抗力が落ちるというイタリアでの実験結果が発表されており、その辺の解明も待たれる。(タイサク)


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