マキノの庭のミツバチ日記(20)

空を掃く朝

朝、庭に出ると箒(ほうき)を持ち出して、地面を掃くのではなくて空を掃くことが日課になった。というのも、5月中頃からミツバチの群れが我が庭に住むようになったからである。勤勉な働きバチが朝の仕事に出かけようとするとき、まさにそのコース上に、見えないワナが仕掛けられている。クモの仕業だ。クモの糸については、極細であっても鋼鉄よりも強い(断面積あたりで耐える力を測ると)という実験がなされている。その見えない強力なワナが、木立や建物、物干しなどを利用して至るところの空間に仕掛けられている。ミツバチを保護する立場からするとさすがにこれはまずい。そこで、私の朝一番の仕事のひとつは箒で家の周りの空を掃きまくって、邪悪な意図を未然にくじくことだ(クモさん、ごめんサーイ!)。もう一つの仕事は、テレビの今日の天気予報をミツバチに代わって調べること。

先日、滅亡に至った巣箱の群れ(キンリョウヘン・グループと名付けておこう)のことを記した。だがその一方で活発に勢力を増しつつある一群れが身近にいることを無視するわけにはいかない。それはキンリョウヘン・グループがやって来る数日前のことだったが、琵琶湖対岸の地に住むBee仲間のIさんらが、ニホンミツバチ一群れの住む巣箱1個を、それまで蜂空白地だった我が家に持ち込んでくださった。その群れのルーツは山梨県から移入したものだそうだ。アカリンダニの寄生に強い群れで、手作りの巣箱(写真)もその地の技術導入がなされている、とIさんは言う。こうして、新手の一家が裏庭に住み着くことになった。

この巣箱は木製の重箱型2段組みで、正面下部の横板には高さ7ミリほどの入口(巣門)があり、この板全体は端を蝶番で止められており、扉のように開閉できるので、掃除や中の巣板の観察に便利である。横板中央には鉛筆が通りそうな大きさの丸い穴が開けられている。この穴の意味が不明(ファイバースコープ用?)だが、見ているとハチが結構楽しげにここを潜り抜けている。さらなる工夫として、巣箱の底板部分だけでも引き出して掃除できるようになっている。天井にはスノコ状の隔離板の上に樹脂の網が敷かれ、そこに紙にくるまれたメントール(ハッカ)の結晶が10グラムほど置かれている。これはアカリンダニを抑制するためのもの。一番上に板の蓋が置かれるが、そこにも一部に網が貼られ、通気がしやすいようになっている。小さな隠し窓が2段目の箱枠に取り付けられているので、内側の巣の様子をのぞき見ることができて便利だ。

巣箱が運び込まれたときは、分蜂群捕獲のときから20日経過しているということであったが、いまや巣板も大きく、先端が底に達しそうになり、もう1段の箱枠を入れて増設したのは最近のこと。ついでに台座も入れ替えた。一人では難しかったが、幸いにもミツバチまもり隊の隊長小織さんに手伝ってもらえた。新調のパーツはIさんがあらかじめ用意してくれていたので、取替え作業がスムーズに運んだ。ということで現在は3段の箱になっている。この一家はすごく活発で勢いよく増えているので、先が楽しみだ。(タイサク)

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