マキノの庭のミツバチ日記(36)

年の終わりに

今年 2017 年は、恐ろしい(あるいは不幸な)事件が頻発し、国際的には米朝の 緊張関係などもあり不安感に満ちた年であった。だがミツバチとの関わりで言え ば、個人的にはけっこう興味深い面白い年だった。

5 月、庭の鉢植えのキンリョウヘンに、花房がたわわになるほどにニホンミツバ チが集合したことがあった。野生の群を招き寄せて巣箱に確保できたのは初めて の経験。驚きであり楽しい事件であった(17 号)。その群れが半月も経たないう ちに、寄生ダニ(アカリンダニ)によりみるみる内に滅亡していったのは、これ また驚かされ残念に思ったことでもある(19 号)。不自由な羽で無理に飛ぼうと したり、巣房に頭を突っ込んだまま餓死したりしている蜂を見て痛ましく思った。

同じ頃、琵琶湖対岸の地に住む Bee 仲間の I さんらが、ニホンミツバチの一群れ の住む巣箱1個を、我が家に持ち込んでくださった。その群れのルーツは山梨県 から移入したもの。アカリンダニの寄生に強い群れで、手作りの巣箱もその地の 技術導入がなされている。こうして、新手の一家が裏庭に住み着いた(20 号)。 箱側面には板チョコくらいの広さののぞき窓がありコロニー観察に大いに役立ち、 日記のネタをいくつか提供してくれた。

分蜂は毎年経験することではあるが、いつ見ても印象深い。6 月の朝 8 時すぎに 夏分蜂が起きた。松の木の高いところを無数の蜂の群れがさまよったのち、木の 枝の一点に急速に集まって塊(蜂球)を作った。高いところだったが、長い梯子 (ハシゴ)を使っての回収成功で久しぶりに興奮した。捕獲群は同じ町内だが少 し離れた山際の農家にお譲りした(23 号)。その 4 か月後にこの養子組と再会し、 元気な姿を見ることが出来た。

8 月のある朝の 6 時過ぎだったか、すぐ近くの田にラジコン・ヘリが農薬(ネオ ニコ)散布に来た。稲の害虫カメムシなどの駆除が目的。散布では風向きが気に なった。過去にも、散布の後にミツバチの調子が悪くなりコロニー絶滅に至った 経験がある。散布空間を飛んで被曝(ひばく)するのを避けるため、巣箱の出入 りを一時的に止めた(26 号)。残留性や浸透性といったネオニコの危険性がまだ 広く知られていないのがもどかしい。

秋になり様々の花が咲き乱れてきた頃に蜜絞りを決行。取り出した 7 枚の巣板は 切断面が霜柱のように見える。巣板には、表面に白いシール(蜜ブタ)が貼られ ている。それをはがしていくと、琥珀色の蜜のドロリとしたしたたりがまぶしか った(30 号)。

花蜜と花粉に生計を頼るミツバチは、花が季節の移ろいとともに次々寿命を終え ると、新しく咲く花を求めてジプシーをやり続けなければならない。秋が深まる と、そんな働きバチたちの愚痴が聞こえてきそう(32 号)。

12 月に入ったばかりなのに真冬並みの強い寒気が到来。保温対策のつもりで、巣 箱の 4 面に発泡スチロールの板を 2、3 枚ずつ重ねて貼り付けた(35 号)。

以上は振り返ってのトピックス。ミツバチも付き合いが長くなると、なんだかフ ァミリーみたいに身近に感じられる。時にはこちらも観察されているのではと思 うことも。とにかく、無事この厳冬を乗り越えてほしいと今は念ずるばかり。(タ イサク)

*文中の(号数)は日記の通し番号。「ミツバチまもり隊」ホームページにバック ナンバー収録。

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