マキノの庭のミツバチ日記(45)

X-day が来た。しかし・・・

ついに X-day、つまり分蜂(巣別れ)の日が来た。今年最初の分蜂(第一分蜂)なので、それまでの女王バチが約半数に上る手勢を連れて別の住処に移るはず。残された巣は娘女王と居残り組が引き継ぐことに。

X-day を 2 日前くらいと予想して待機していたのだが、いずれも空振りだった。 昨日などは巣門に集結したミツバチの動きが異様に活発になり、羽音がうるさい。 あたりをでたらめに飛びまわるものもいて、いよいよ分蜂の時が来たかと思ったことが三度もあったが、結局は収まって静かな夜を迎えていた。分蜂に向けて参加要員のトレーニングあるいは予行演習みたいなことをしているのかと思った。

今朝も快晴で風も弱い。8 時半くらいに巣門付近が急ににぎやかに。時騒ぎにしては早い時間だ。20 分も経ったころ、ミツバチの群が巣箱の内側から次々に押し出されてまるで湧き出すかのよう。巣箱前面や地面にまで蜂があふれる(写真1)。 これはいよいよ本番だと、ピーンときた。舞い上がってあたりを飛びまわるものも数知れず。唸るような強い羽音が仲間同士を鼓舞するかのよう。めったにないチャンスなので、用意のレコーダーを取り出して録音し、カメラで写真と動画も撮りまくる。

蜂たちは庭一面を飛びまわり、木々の間を探索するかのような行動のあと、9 時半ころには近くの松の木の高いところにある枝に集結した。仮の宿りである蜂球を作ったのだ。昨年はハシゴをかけてその蜂球ごと回収することができたが、今回、留まっている枝まで 10 メートルほどもあり、松葉や枝で囲まれていて、分蜂群を採るのは諦めざるを得ない。近くに回収のための集合板やキンリョウヘン(蘭) の鉢を置いていたが、残念ながら役に立たず。留まり場として最適の天然素材である松の枝には敵わなかったようだ。

ところが、思いがけないことが。この蜂球がみるみるうちに崩れて、また辺りは騒乱状態。なんと、出てきた元の巣箱に続々と戻っていくではないか。分蜂の際 に女王バチが出遅れることもあるそうで、その場合は働き蜂が集団でお迎えに戻ると聞いたことがあった。分蜂の時に臨んで女王はダイエットしてスリムな体になるというが、減量が間に合わなかったのか。時には女王が自分の巣箱から出るのを嫌がることもあるとか。そんなことをぼんやり考えているうち、今度はまた、巣箱内側から吹き出るような蜂の大河の流れ。いよいよ女王も説得され(?)お 出ましかと、群れの飛び行く方を見た。やはり今度も松の枝に蜂球を作って定着 (写真2)。さっき止まったところの近くで、今度も手が出せない場所。蜂球も前よりは大きい。双眼鏡で女王を確認しようと試みるが、分からず。

この群れは 1 時間ほどそこにいたが、ついに北東の方向に群れで飛び去って行った。蜂球を作ってそこから偵察隊を出しよい住処を探すといわれる。だが、既に下見をしている場合は長居をしないとも聞く。私は双眼鏡をもって後追いし、飛び去る行方を確かめようとしたが、群れがばらけたように薄く広がっているので、 全体の動きがつかめない。「どこかで生きながらえて」と念じながら見送った。(タイサク)

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