マキノの庭のミツバチ日記(51)

初夏の蜜絞り

庭のニホンミツバチの巣箱で、4月に3度の分蜂(巣別れ)が起こり大群が出て行った。その後の巣箱は広すぎるにちがいない。ニホンミツバチによる管理が行き届かないところがスムシに侵略されがち。そこで、巣箱の上方(1 段目の箱枠) を切り離すことにし、そこからの蜜絞りをすることを思い立った。私の相方として妻Yを抜擢し、たまたま帰省していた長女を写真撮影班に任命。家族だけでの蜜絞りは初めてのことだ。

例の装備(面布に手袋、白い厚手の服)で身を固め、夕方近くまで待って出陣。 巣箱は移動させず置いたままの位置で作業にかかった(写真1)。まず天板を切り離すと蜂蜜を含んだ7枚の巣板が詰まっているのが目に入る。ついで1段目の箱枠の下の隙間に針金ワイヤーを差し込み、両手を使ってしごきながら手前に引き寄せて巣板を切っていく。ワイヤーが時々ひっかかって動きが停まることも。時として主導権を奪おうとする相方Yの口と手を不器用にかわしつつ、何とか最上部の箱枠をとりはずせた。新しい天板を納めて第1段階は終了。作業はほぼ順調にいったが、途中ハラハラする場面も。うっかりして巣箱をずらしてゴトンと大きく揺らしてしまい(それも2度も)、中にいるハチたちが怒って騒ぐのではと焦ったこともあった。

取り外した箱枠1個には働きバチがまだ残っているので、巣箱の入口近くに箱枠を置いてやった。すると不安げに居残っていたハチの百頭ほどが、なんだかあっさりと職場放棄して、そそくさと元の巣箱に戻っていった。10分くらいの間には箱枠にハチがほとんどいなくなった。後はそれを家の裏に運んで内の巣板を取り出す作業。ここからは妻Yが得意とするとこ。巣落ち(夏場の高温のときにロウでできた巣が落下すること)を防ぐため箱枠の中に張ってあった緑色のビニル被覆鉄線の数本を抜き取ると、がぜん作業はやりやすくなる(写真2)。

巣板から切り出した断片は金ザルに集め(写真3)、さらに細かく砕いておく。滴り落ちる蜜はリード紙でろ過してホウロウ鍋に集める。夏場は1日半ほどかければ蜂蜜をほぼ回収できる。結局、純粋蜂蜜2リットルほどを採取できた。春の分蜂で大量に蜂蜜が持ち出された影響か、収量は前回の7割くらいと少なかったが、 より濃厚な感じ。トロリとした琥珀色の液を1サジすくって口に含むと、独特の良い香りと濃厚な甘みが口に広がる。

しかし、蜂蜜を得ても食用にしていいかどうか考えるべきことがある。ボツリヌス菌が芽胞(がほう)の状態で蜂蜜に含まれていることがまれにある。消化管の未発達で芽胞を除けない1歳未満の乳幼児に蜂蜜を与えるのはリスクがある。ただし、ウチに該当者はいない。次のチェックはトリカブトなど有毒植物からの花蜜が来ていないかという点。だが我がミツバチが飛ぶ範囲ではまず危険な花はない。残る問題は、近くの水田に撒かれた残効性農薬ネオニコの混入の可能性。昨年の千葉工業大の研究では、東京都と8県から採取した蜂蜜73サンプル全てにネオニコ系が検出され、28製品の内18で農薬残留基準(暫定)を超えたという。 ただし、十分低濃度なので直ちに健康に影響することはないと報じられている(ど こかでよく耳にした文句!)。自家用とはいえ、しかるべきところで定量分析(有料だが)をしてもらった方がよいのかと、また新たな悩みに直面してしまった。 (タイサク)

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