マキノの庭のミツバチ日記(62)

台風の猛威がミツバチに及ぶ

今季最強といわれる台風21号が近畿を縦断したのは 9月の 4日。21号は徳島県上陸後、神戸付近に再上陸、福知山を経て日本海へ抜けて行った。ちょうどその進路の近くにある我が高島市マキノ町では、午後になって強烈な暴風雨。やかましいほどの風の息吹があたりを威圧するかのよう。後になって高島市から、瞬間最大風速が35.5mと発表された。午後 3時あたりがピークだった。

湖のある南方から礫(つぶて)のように勢いよく飛んでくる雨粒。松の小枝が飛んではガラス窓にたたきつけられ、バシッと激しい音。かつてなかった雨漏りが窓枠のあちこちに生じた。浜を窓越しにのぞいてみると、これまで見たことのない波頭が近くを暴れまくる。すぐ近くの電柱の間に張られている電線が大幅に揺れてちぎれそうに見えた。そして 2時頃についに停電になった。ようやく夕方 6時になって風が弱くなり、雨も止んだ。台風は日本海に抜けたとラジオのニュースはいう。

5日朝、晴れあがった空の下に、台風がもたらした爪痕があちこちにあらわに見えた。すぐ前の湖浜に並ぶ松の大木の内、3本が途中から無残にも折れていた。 松や庭木からちぎれ飛んできた小枝や葉が道路やあたり一面に散乱し車も走りにくそう。聞くところによると、マキノ町の東にある海津のあたりは、電柱が折れたり老舗の屋根が吹き飛んだりして相当な被害が出たという。

私はニホンミツバチの巣箱を守るために、台風が来る前に巣箱の上からロープを掛けて、脇に杭でつっかえ棒にし、ブロックの重しをつけておいた(写真1)。そ の程度の準備であったが、2台の巣箱は嵐にも立ち続け持ちこたえてくれた。だが、残念なことが起きた。台風が去った翌日の 5日、裏庭の巣箱が静かになり出入りがない。あわてて巣箱を開けて調べると、もぬけの殻の有様。きれいな巣板 8枚が長く伸びているが、蜂蜜は 1滴も残されてなくて幼虫もいない。無数の空の巣房が無表情に並んでいる。(写真2)。

昨日はまだ大勢居たのを確認している。実際、写真1にはミツバチの門衛が 10頭ほどで門を守っているのが写っている。逃去確認の数時間前に撮られた写真なのだ。台風の風雨が箱に当たり、そして多分水が浸み込んできたのがいやで緊急避難に及んだのか。

実は、表庭に置いた巣箱にいるもう一つの群も怪しい動きをしていた。昼下がりに巣門付近で軽い時騒ぎがあるのは珍しいことではない。だが午前 11時前での騒ぎは大いに怪しい動きだ。外に出て飛び回るものがみるみる増えていった。時騒ぎの一線を越えて分蜂か逃去の時のように激しい動きに移っていくように見えた。唸るような音も聞こえてきたので、これはまずいと思いスプレーの水を噴霧させ、ハチに向かって掛け続けた。しばらくすると群は平静さを取り戻し、巣箱の中に戻っていったので少し安心。

夕方、約 30時間ぶりに停電が終わり通常の生活に戻った。それまではエアコン、 風呂、トイレ、洗濯機、IHに冷蔵冷凍庫が使えない。コーヒーミルもアウト。テレビ、パソコンももちろんだめ。情報はポータブル・ラジオに頼っていた。

波乱の 2日間が終わって明けての 6日、未明に北海道で最大震度7の大地震が起きたと報じられた。「昨日の逃去はまさか地震予知ではないよね」と妻 Yが言う。 もちろん私は即否定。でもあれは不気味なタイミングだった。(タイサク)

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