マキノの庭のミツバチ日記(63)

ミツバチにも生きにくい環境になってきた

前回にも書いたが、猛威をふるった台風 21号が去った後、庭に巣箱で飼っていたニホンミツバチが逃げた。写真1は、空になった巣箱を横倒しにして内側を見たときのもの。はっきりした原因は不明だが、酷暑、台風、花蜜不足、スズメバ チのしつこい襲来などがトリガーになったと考えられる。

台風の前日までは、働きバチらはいつものように花粉を運び込んでいた。キイロスズメバチの襲撃があれば巣箱前面に 200頭ほど集合して、一斉に体を震わせ振身行動でもって対抗しているのを見た。逃去した日も朝方見たときは、門衛が固 めていたので私は安心していた。それが急に全部いなくなったと分かった時は、フェイントを掛けられたみたいに頭が混乱していた。

後で冷静になって考えれば、これはかなり前から準備され、産卵をやめ、蜂蜜や蜂児を整理していることは明白。巣房の幼虫についても、セイヨウミツバチのように食べてしまう(全部でなくとも)ことをやったかも。計画倒産ならぬ計画逃去をやられたみたいだ。しかし、昆虫の身でありながら、厳しい状況判断をしてこれほど組織的に転出を成功させるのは、すごく知能的で驚くべきことではないか。恐れ入りました。

庭に残ったもう一つの巣箱の居住者ら(台風通過後に一度だけ怪しい素振りをみせた)は、今は何気ない顔で花粉を運び込んでいてまだ「決行」に及んでない。 だが、私は疑惑の眼差しで「彼女ら」をちょっと睨んでやっている。

私はフェイスブック(FB)をやらないが、日記の記事を更新するたびにミツバチまもり隊の手で FB サイトに転載されている。日記への感想やコメントが時々だが担当者の手によって私の元に戻ってくる。今回は緊急避難ではなくて計画逃去ですとのご指摘をいろんな方からいただいた。さすがに飼育ベテランの方たちのコメントは光っている。多くの皆さんも印象深い逃去体験をお持ちのようですね!

もう一つコメントに関連して付け加えたいのは地震予知のこと。今回の逃去と北海道の地震とは無関係と私は思う。地震の前段階で地殻に圧力がかかり、ピエゾ効果で電磁気環境の異常が起こるらしい。ミツバチの体内に磁鉄鉱の存在が証明されているが、それがなくても、鋭敏な感覚系をもつので行動変化を起こすことはあり得る。ただし震源の近くでないとこれはない。阪神大震災のときはさまざ まの動物の異常が報告されている。熊本地震や今回の北海道地震のような直下型ではどうなのか。人口が少ないと目撃情報も限られるのでは。

我が家での逃去劇の一方で、以前に夏分蜂で養子に出した一群でも最近になって不幸なことがあった。箱を置いた今津町の山里で順調に暮らしていると聞いていたが、8月末にクマに襲われてコロニーが消滅とのこと。送られてきたメールの写真には、無残に巣箱が破られ蜂蜜を含んだ巣板は抜き取られている様子が見てとれた(写真2、3。是永氏提供)。7月にも、今津町の別の山際に置かれた巣箱がクマに襲われたと聞いている。この高島市内のあちこちでもクマが山を下りて里をうろつくようになった。

地震や台風、酷暑などで災害列島と化しつつある日本で、クマ、ツバメ、スズメバチに農薬ネオニコチノイド、大気汚染の PM2.5など様々のストレスが重なり、 ニホンミツバチにとっても生息環境はますます厳しいものになっているのを実感する。(尼川タイサク)

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