マキノの庭のミツバチ日記(70)

給餌器で採餌を助ける

先週末に点検で巣箱を開けた際、越冬のための貴重な貯蔵蜂蜜を失敬するといった暴挙をしてしまったので、ミツバチたちが見限って逃げださないように給餌を行った。はじめは、蜂蜜を含んだ巣板の欠けらを巣箱から離れたところに出して働きバチに吸わせていた。だが、そのうち来ているミツバチの間に喧嘩が起こり、争いで命を落とすものまで現れた。吸い終わったミツバチは大概が裏庭の巣箱の方に戻っていったが、一方で近くの板塀に停まって数頭が休んでいるのも目についた。この休憩している連中はおそらく他の巣から遠征に来ているのだろう。

思い当たるのは駅に行く途上にある 1軒の家だ。別荘として使われ庭に巣箱が置かれているがもう 5年ほど空箱のままだった。月に 2回ほどはそこのオーナーが来て野菜作りに精を出す姿が見られた。今年の夏、その巣箱にニホンミツバチの群れが自然に入ったそうだ。にぎやかになった巣箱を通りがかりに見つけて、そこの家の方と話し込み知り合いになったのはごく最近のこと。

その家から私の家まで直線距離にして 300メートルほど。盗蜜に来れる距離だ。だが他の巣かもしれない。逃蜜は本格的になると厄介で大群が来ると収拾がつかなくなるらしい。去年の 8月にもそれに近い騒動があり(ミツバチ日記(28))、早めに手を打つことが大事。

そこで、給水器を使うことにした。水を入れたガラスコップに布巾をかぶせ、瞬間的に逆さにして台の上に伏せたままで置くと、わずかに布からにじみ出る水があるが、ほとんどの水はコップの中に留まっている。この原理を利用したものに小鳥などへの給水器があるが、ミツバチにも砂糖水を入れて使う給餌器として市販品がある。

それを教えてくれたのはハチ友の井上さんで、中国製なるプラスチックの製品も一つ頂いていた。それは巣門の隙間から 10センチほどの長さの給水路(ミツバチの側にとっての吸い口)を奥へ差し入れて使うタイプで、巣箱の内側で吸蜜するため逃蜜予防になるものだった。ただ、セイヨウミツバチ用のものだったので給水路の高さが 1センチだった。それをカッターナイフで削って低くし、高さ 5ミリほどにした。それにより、ウチのニホンミツバチの巣箱にも使えるようになった(写真)。

だが当初は巣箱での実地テストに失敗。ボトルの中身がとくとくと流れ出てすぐになくなったり、途中で流れが止まって給水路が干上がってしまったり。充填した糖液と給水容器のプラスチックとのなじみ具合(表面張力など?)の関係が、思ったより微妙なのかも。容器を洗剤でよく洗ったりツマヨウジを給水路への入口に2本入れてガイドにしたり、などしてうまくいくようになった。

蜂蜜とキビ砂糖を等量の水に溶かして餌として使ってみた。夕方に給餌器に入れておいたのを翌朝に見に行くと、始めは 100ミリリットルくらいあった糖液がきれいに空になっていた。思ったより大量に消費してくれている。この給餌を 3日 間、夕方から翌朝にかけて続けた。

4日目の夕方、ハチたちが巣門の前に 10頭ほどが集まってうろうろしている。まるで給餌を覚えていて催促するかのようにみんなで私の顔を見上げるのだ。「あまり給餌しすぎるとブタになるよ!」という連れ合いの言葉で中断したわけではないが、その日は忙しくて給餌しなかった。しかしブタのようなミツバチって想像が難しいナ。(尼川タイサク)

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