マキノの庭のミツバチ日記(71)

ミツバチを惹きつける赤い花白い花

11 月も中旬になり、最低気温が 10 度を下回るようになり、秋が深まってきた。この頃、庭のニホンミツバチの巣箱に久しぶりの時騒ぎがあった。働きバチ後継者として若手が出て飛行訓練をしているのだ。体のサイズも一回り大きくなったように思える。

先月 10 月に巣箱に異常を感じて調べた際は、無力な若バチが多くいて、このコロニーの将来が案じられた。箱の最上部を取り出して中のハチを振り落としたら、地上に 200 頭以上の若いハチが落ちた。その連中は飛び上がりもせず地上をうろつくばかり。そこへ、数は少ないがチャキチャキの働きバチ姉貴が登場し若バチたちを誘導するかのような行動を見せた。彼女らは、地表から巣門に至る崖(といってもコンクリート・ブロック 1 個ほどだが)の 15 センチほどの高さを率先して登って見せたり、遅れている者のお尻を押したりして、若者たちを首尾よく巣門の中へ導いていった。最後の 1 頭が巣内に消えると、ギャラリー(私と他 2 名にすぎなかったが)から歓声が起こった。

その時の大勢の保育園児みたいに頼りない若バチ連中が、働きバチとして冬を越す重責を担うことができるのかと、私は心配してきた。それだけに、この時騒ぎの光景を目にすることが出来て一安心。さらに翌日には、侵入したキイロスズメバチを熱死させて巣門から放り出すところを目撃するに及んで、コロニーが活力を取り戻したことを祝福する気持ちにもなった。

そのミツバチにとっての主要な蜜源になっていたセイタカアワダチソウだが、最近は勢いがなくなり、黄色い穂先はシャンプーの白い泡のように文字通り泡だった姿に変身してきた。一方で、蜜源の主役交代をアピールするかのように、山茶花やビワの木に花が咲くようになった。今年初め、2 月の冬場の頃も、庭木のビワにその時期としては貴重な花がいくらか咲いてニホンミツバチが訪れていたが、すぐ後の豪雪の襲来であえなく散ってしまった。そのあと初夏の頃のビワの実の収穫はほとんどなかった。

そのビワの木に今は鈴なりのつぼみが付き、白い花が次々開いてきている。花の臭いに誘われてかいろんな種類のハチやアブ、ハエ、さらにはスズメガまでが現れて花蜜を漁っていく。体の大きいハチやアブに追い払われながらも、我がニホンミツバチもしぶとく争奪戦に加わっていた(写真1)。

JRマキノ駅の通路の両側にある花壇に、今はサルビアが真っ赤な花を咲かせている。サルビアはハーブで薬草のものもあるとか。ミツバチは赤色をほとんど認識できないが、臭いがいいのか 5,6 頭ほどが来て盛んに花に潜り込んでいる。ニホンミツバチがこんな派手な赤い花に採蜜に来ているのは珍しかったので写真を撮ろうとしたが、ハチの動きが早くすぐに花陰に隠れてしまうので、なかなか満足のいくのが取れなかった(写真2)。

そのうち小さな事件が起こった。この花は筒状になっている。その筒の中に頭を突っ込んで採蜜に夢中になっていた 1 頭のミツバチが外に出られなくなった。縞々のお尻だけを外に突き出したままでもがいているがうまくいかない。花蜜狩りのプロがこんな醜態を演じるなんて意外に思えたが、そのままでは可哀そうなので花びらを裂いてそこから解放してやった。そのドジなハチは礼も言わずに飛び去っていった。(尼川タイサク)

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