マキノの庭のミツバチ日記(86)

セイヨウミツバチの蜜搾り(しぼり)を見学

高島市南部の N さんのお宅は、古くからある集落の一角に建つお屋敷。その庭はセイヨウミツバチの巣箱が 3 台ほど置かれている。N さんはミツバチまもり隊の会員でもある。すぐ脇の空き地にはレンゲやタイムの小花が咲き乱れてミツバチを呼び込んでいる。今日は、そこで飼われている巣箱のうち一つで蜜搾りをするので来ませんかと誘われて、お邪魔することになった。私の他にも N さんの友人夫婦一組が招待されていた。私はセイヨウミツバチの蜜搾りは初体験ではないが、もう 50 年以上前のことなのでほぼ仕方を忘れている。それに、私が扱ってきたニホンミツバチとどう違うかということも興味があった。

巣箱は上下 2 段に積まれていて、その内側には巣板が 8 枚並べて収められている。巣板は木の枠に囲まれた板状の蜜ロウからなり、その両面に六角形の小部屋(巣房)が無数に穿(うが)たれている。この時期、蜜は主に上の箱に貯まるようになっている。今日は天気が良いのでハチもご機嫌良いとか。巣箱の上ブタを開けて巣板を取り出しても、くん煙器からの煙のせいもあってか、あまり騒がないでいる(写真1)。巣板表面に群がって張り付いているハチを振り落とし、まだ残ったハチは刷毛で払い落す。

その巣板 1 枚を持ち上げると、それぞれの巣房にびっしりと蜂蜜が入り結構重たいものもある。 十分に濃縮出来た蜂蜜の巣房は、その表面を「蜜ブタ」と言う薄いフタで覆われ封入されている。この巣板を作業場に運び出して、それぞれの巣板から蜜ブタをナイフで薄く剥ぎ取る作業に入った(写真2)。私も途中から任されたが、N さんほどうまくはいかない。失敗しながらもなんとか続けた。

蜜を取り出すのに必要なのが分離作業。ドラム缶の中に回転軸を入れたようなものが遠心分離機だ(写真3)。次のステップは、その回転軸に巣板を取り付けてハンドルを使って回転させ、遠心力で蜂蜜だけを槽の内壁に飛ばして集める作業になった。手回しでその回転速度を適度に保つのが難しいとのこと。遠心力が強すぎると巣板を破ってしまう。

最後に、遠心機の底から突き出た蛇口から、琥珀(こはく)色の液体がドロリと出てきた。巣くずなどは金網の目の粗いのと細かいものの 2 段階でふるい分けられ、非常に濃くてきれいに澄んだ蜂蜜が最後に得られる。スプーンを突っ込んで回すと粘りついてくるような純粋の濃い蜂蜜だ。採れる蜜の量がニホンミツバチより何倍もあるような印象。

ニホンミツバチの蜜搾りの場合は巣板自体がもろいので、巣板をいくらか砕いてザルに入れリード紙で漉(こ)して蜜を垂れ流しさせボウルなどに集めるだけ。簡単だが気温が低いと時間がかかる場合もある。

嬉しいことには、ビンに入れた貴重な搾りたて蜂蜜をお土産にいただいた。試しに指先ですくって舐めると、レンゲだろうか花の匂いがする。濃い舌触りが素晴らしい。今日は大変良い体験ができた。(尼川タイサク)

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