マキノの庭のミツバチ日記(88)

ニホンミツバチの蜜搾り

先々週はセイヨウミツバチの蜂蜜搾りに見学に行ったが、今日は自分のところのニホンミツバチの巣箱を開けて蜜絞りを実行することに。朝は 7 時決行を決めていたので、いつもより早く目覚める。気のせいか脈が早く血圧も高めになっている。やはり気持ちが躍動してくるのか。

ちょうど、娘が休暇で家に帰ってきているので写真係をしてもらった。ひどい虫嫌いだったが彼女もこれで立ち合いは3度目。ミツバチ(だけ?)は大丈夫、となった。私と妻は、長袖、ズボン、面布にゴム手袋を着用し、ハッカ油の噴霧液も手足に軽く付けておくなど、万全の防御態勢をとった。ミツバチが活躍する前に「朝飯前」でやり終えることを目標にする。準備と手順のシミュレーションは前日にほぼ終えていた。最近、蜜搾りをしたハチ友から、ハチを怒らせ激しい反撃に会い刺されたなどの話を聞いていたので、少し臆病な気分になっていた。

いざ始めると、箱枠を抑えている木ネジがドライバーでうまく回らない。無理をするとネジの皿がつぶれてしまい取り外せなくなるので、ちょっと焦った。なんとかそれを乗り越え、天板を外す段になってスパーテルが手元にないことに気付いた。でも前回までのようなうろたえた結果での怒号(?)の応酬はなく、箱開けはスムーズにいった。箱枠と次の箱枠の隙間に細い金属ワイヤーを通して水平に引き切ることで、無事に最上部にある箱枠(中に巣板が詰まる)を切り離すことが出来た。この間、巣箱の住人(住虫)たちの羽音はすごかったが、思ったほど攻撃的ではなく、じきに落ち着いてくれた。この巣箱の元の飼い主からは気が荒いと聞いていたのでやや拍子抜け。一番上の箱枠を外して手に持ってみると結構重い(写真1)。

この箱枠の内の巣板と巣板の隙間に、まだ少しばかり働きバチが残っていた。この居残り組を追い出して、取り出した箱枠を運び出し、蜜を含んだ巣板を切り出す作業に入る(写真2)。そうして得た巣板を小片に割ってリード紙を敷いた金ザルに入れ、下に置いたホウロウ桶に蜜が垂れてくるのを待つのはいつものやり方で、遠心分離機は使わない。白い蜜ブタがかかった濃い貯蔵蜜のあるところは、あらかじめ刃物で覆いをはぎ取っておかねばならない(写真3)。

トロトロの蜂蜜で潤んだ巣板のひとかけらをつまんで口に含んでみた。これぞニホンミツバチの蜜だ!と、思わず表情が緩む。味でもセイヨウミツバチのものとは違う独特の味覚が湧く。芳醇にしてさわやかな美味が口内に広がる。初夏に入ったこの時期に採った蜂蜜は香りよくさらっとした味だ。秋になると蜜もさらに濃厚になるが、嫌いなのはソバの花が咲くころの蜜。人により好き嫌いがあるが臭いになじめないものを感じる。クリの花からのものも同じくゴメンだ。ただ、物の本によると、ソバの花に由来する蜂蜜は抗酸化作用が強いので愛飲する人も多いとのこと。去年の秋に採った蜂蜜は、セイタカアワダチソウに由来の臭いがあり困惑したのだった。

有名な歌人の若山牧水は宮崎県日向市(現在)の出身。彼の短歌に「焼酎に蜂蜜を混ずればうまい酒となる、酒となる、春の外光」というのがある。とても上手な歌とは(素人の私には)思えないが、彼の出身地にかつて住んだことのある者としては、この歌はちょっと気になる。この飲み方、真似してみようかナ。(尼川タイサク)

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