マキノの庭のミツバチ日記(99)

オオスズメバチの攻撃に耐えて

朝見たら、庭のニホンミツバチの巣箱に数頭ほどのオオスズメバチがたかっている。親指ほどの大きさでいかつい格好のアマゾネスらはこれまでに十分に下見した模様で自信満々、「意思統一」のもとで攻撃作戦に臨んでいるように見える。他の巣箱には目もくれず、1つを集中して攻撃。ミツバチは巣箱の中に逃げこみ、あるいは仲間を動員して動き回り目くらましに出るなどで対抗していた。攻撃が一旦止んだときは、敵が仲間を誘導するために着けていったマーキングの個所をかじったり、自分らの糞を撒きちらし敵の匂いを隠したりしている。

さすがにミツバチ保護者としてはこの事態を見過ごしならず。まずは、新兵器のスズメバチ忌避スプレーを試しに使ってみた。クヌギの木にはスズメバチを誘って吸われる樹液が知られていたが、逆にクヌギの樹液でもハチを追い払う類のものが発見された。これをもとに高知大学の金教授らによって開発されたものが KINP社から発売されている。害虫を捕らえるスズメバチは益虫でもあるので、これを殺虫剤みたいに殺さないで攻撃性を奪い追い払う点がエコ的で素晴らしい。

試しに買い求めておいたこのスプレーでスズメバチに向け噴射すると、確かに慌てふためいて逃げ去る。だが、この時期、またしばらくして2波3波と来襲。追い払うにはよいがすぐ揮発し拡散してしまうので残留効果という点が弱い。スプレーの中身は噴射剤にジメチルエーテル 70%と忌避剤としてフェニルメタノール 30%からなる。忌避するかどうかは別として、追い払うだけならば溶剤のエーテルだけの噴射でも十分かも。「スズメバチサラバ」という魅力的ネーミングだが、すぐに「こんにちわ!」されるのは養蜂家からすると心もとない。今、新たに巣門に置いて長持ちするタイプが開発されているとか。期待したいところだ。ただ、近くの草花にかかるとすぐに枯れたこともあり使い方に注意する必要がある。

様子を見ていてまどろっこしいと思ったのか、妻Yは散水用のホースを引き出して放水で狙い撃ち。さすがの獰猛なスズメバチもほとんどが追い払われ、地に落ちたものは容赦なく踏み潰された。

次に私が取り出したのは、少し前にハチ友の井上さんからもらった 5 ミリ角の金網。いよいよの出番となった。「あと 2 週間くらいの辛抱だから」とつぶやきながら巣門に押しピンで貼り付けた。ミツバチたちはしばらくのあいだ戸惑うが、やがて慣れてくると金網の隙間をうまく潜り抜けるようになった(写真1)。さすがに体の大きなオオスズメバチは侵入できず、巣門の木部に直に噛みつくこともできないのであきらめるようだ。だが、巣箱のミツバチも、辺りをいつまでも物欲しげなオオスズメバチにうろつかれると、ストレスを感じるかもしれない。

襲撃が続きしつこいので、やむなくネズミ用の粘着トラップを巣箱の屋根にセット。おとりを 1 頭のせておく。昨年のこの時期に初めて粘着板を置いてみてその威力に驚いた。捕獲されたスズメバチは 100 頭を超えた。しかし、粘着板で逃げられずのたうち回る姿を見ると気の毒にも思えた。それで、この悪魔の兵器(スズメバチからみると)を使いたくなかったのだが、今回も決断。計 30 頭ほどキャッチした(写真2)。だが、もがくさまをみていると、やはり気持ちのいいものではない。(尼川タイサク)

*次号(100 号)でこの日記の連載を終わります。

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