マキノの庭のミツバチ日記 (17)

蘭の花(キンリョウヘン)がミツバチを呼んだ(その1)

5月らしい晴天。朝9時ごろ庭に出る。空(から)の巣箱の横に置いたキンリョウヘン(金稜辺)の鉢のあたりを、3頭ほどミツバチが飛びまわっているのに気付いた。キンリョウヘンの花は、ニホンミツバチをその匂いで呼び寄せ集合させることが知られている。来ているのは確かにニホンミツバチだ。何頭かは箱の中に入っていく。やがて居なくなったと思ったら、新たに飛来するハチもいる。この巣箱は昨年使わなくなり放置していたものだ。それを分蜂後の新居候補として検分に来ているのだろうか?じっと観察していると、南西の方向から来ているように見える。そんな状況が2時間ほど続いた。ひょっとしてここに居つくつもりかと期待をもった私は、蜜ろうを持ち出してハチが巣箱入口(巣門)を見つけやすいように入口付近に塗りつけてやった。午後1時頃になると飛来数が増え、15頭ほどが入口付近を興奮気味?に飛び回り、巣門に入ったり出たり。3時ころまでは出入りがあったものの、夕方近くには退去したのか巣門は静かになった。新居の決定はダンスによる多数決原理で決まるといわれているので、我が庭の箱は投票で敗れたのか?とその日はあきらめ気分になった。

翌朝、やっぱり気になって巣箱を見に行く。すると、居ないと思っていたミツバチ数頭が巣門あたりで動いているではないか。そして、午後2時半ころには数十の働きバチが巣の前で飛び交うにぎやかさになった。女王蜂が到着したのだろうか?ニホンミツバチが我が家の庭にやってきて自発的に巣箱に入るなんて、こんなことは初めてだ。その場では女王蜂を確認できなかったけれど、このまま居ついて欲しいと切に願いつつ、この貴重な瞬間を動画で撮りまくった。

この日の午後、さらに驚きが続いた。隣のK家の庭に置かせてもらっている巣箱を見回りに行くと、箱のそばに置いた鉢植えのキンリョウヘンの花房がたわわになるほどにニホンミツバチが集合しているではないか。「ミツバチ一家の集合写真(?)」を本などで見たことはあったが、実際にブドウの房のようになっているのを目のあたりにしたのは初めて(写真)。数は500くらいとひどく少ない。この塊はやがて巣箱の壁面に移動した。だが巣箱の門に行く気配がないのが妙に思えた。というのも、先ほど我が庭の箱に入った群れは、キンリョウヘンにも関心を示していたが、すぐ近くの巣箱の門にも臆した様子もなく偵察に入ったりしていたから。ガイドのために蜜ろうと蜂蜜を混ぜたものを巣門付近に塗りつけたところ、30分ほどしてそれに惹かれるものが現れ、陽が落ちるころには、ほとんどのハチが次々に巣箱の内に入っていった。今日のこのことで、改めてキンリョウヘンの威力に驚いた。また、めったに出会わない自然界の妙技に感動!(タイサク)

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